空き家放置は危険!資産価値が低下する前に売却すべき理由について
- 田村
- 8月14日
- 読了時間: 12分
更新日:8月20日
空き家を長期間放置しておくと、気づかないうちに資産価値が大きく低下してしまうことがあります。特に、外壁や屋根の劣化が進めば修繕費も高額になり、売却時に大幅な値引きを迫られることも珍しくありません。さらに、固定資産税などの税制面でのリスクや防犯における危険性もあり、経済的にも精神的にも所有者の負担が増していきます。
最近では、行政による「特定空き家」指定や税制上の不利益措置が強化されており、早めの対応が求められる状況です。本記事では、空き家を放置することで生じるリスクや早期売却を検討すべき理由について、具体的に解説していきます。

● 空き家を放置することで起こる主なリスク
空き家は人が住まなくなると、想像以上に早く老朽化が進みます。日常的な換気や清掃、点検が行われないため、湿気や害虫の被害が拡大し、建物の構造そのものに影響を及ぼすこともあります。これにより、将来的に売却を検討しても修繕費が高額になり、資産価値を大きく損ねる可能性が高まります。
さらに、管理が行き届かない空き家は防犯上の問題や近隣トラブルの原因にもなります。ここでは、主なリスクを詳しく説明します。
・建物の劣化と修繕費の増加
人の出入りがない家は、通気が悪くなり湿気がこもります。その結果、木材の腐食やカビの発生、金属部分のサビなどが急速に進行します。また、屋根や外壁のひび割れから雨水が浸入すると、構造部分まで傷みが広がり、大規模な修繕が必要になることがあります。修繕費用は数百万円単位になることもあり、売却前に大きな出費を強いられる場合があります。
・資産価値の大幅な下落
築年数が経つだけでなく、管理不足による見た目や機能の低下も資産価値を押し下げていきます。購入希望者は建物の状態を厳しくチェックするため、劣化が目立つ物件は価格交渉で大幅な値引きを要求されやすくなります。
特に、不動産市場の動きが鈍い地域では、買い手がつくまでの時間も長くなり、その間にさらに価値が下がることがあります。
・治安や防犯面の悪化
無人の家は空き巣や一般的に、不法侵入者に狙われやすくなります。庭木が伸び放題で外からの視界が遮られると、侵入されても気づきにくく、犯罪の温床となる恐れがあります。
空き巣は、狙った住宅が空き家かどうか確かめるために置き石などをしてマーキングすることがあり、その結果、人の出入りがない住宅と判定されると泥棒が侵入してしまいます。また、周囲から見ても空き家と分かる状態で放置しておくと、ゴミの不法投棄場所となる事例もあり、周囲の景観や住環境の悪化を招きます。
・倒壊や災害時の危険性
老朽化が進んだ建物は地震や台風などの自然災害に弱く、倒壊や部材の飛散などで周囲に被害を及ぼす可能性があります。特に沖縄のように台風が多い地域では、空き家の管理を怠ることは非常に危険です。万一事故が発生した場合、所有者が損害賠償責任を負うこともあるため注意が必要です。
● 空き家放置による法律・税金面での問題
空き家を放置しておくと、見た目や安全性の問題だけでなく、法律や税金の面でも不利益を受ける可能性があります。特に「特定空き家」に指定されると行政の介入が入り、税金の優遇措置を失うだけでなく、強制的な是正措置が取られることがあるので要注意です。こうした状況下では、どうしても買い手に足元を見られてしまい、好条件での売却の機会を逃す大きな要因にも繋がります。
・特定空き家に指定されるリスク
特定空き家とは、倒壊や衛生上の問題など、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすと判断された空き家のことを言います。地方自治体は危険な状態の空き家を特定すると規定の調査を行い、特定空き家に該当すると認めた場合には所有者に対し改善命令を出すことができます。
この命令を無視すると行政代執行により建物は解体され、その費用が請求されるケースもあります。この指定を受けると、当然ながら物件の売却は難航し、売却価格も低額になっていしまう傾向にあります。
・固定資産税の増額措置
通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により固定資産税が軽減されます。しかし、特定空き家に指定されるとこの特例が適用されなくなり、土地の固定資産税が最大で6倍にまで跳ね上がる可能性があります。この増額は長期的な所有コストを大きく押し上げることになり、経済的負担を増やす原因となります。
・行政からの指導や命令
特定空き家に指定されなくても、近隣からの苦情や通報を受けると自治体が調査に入り、改善を求められることがあります。軽微な指導で済む場合もありますが、対応を怠ると法的措置に発展する可能性があります。これにより資産価値のさらなる低下につながるおそれがありますので、このような状態になる前に中古戸建として売却や活用することを検討するか、自ら建物を解体して更地として売却するといった判断を行うことが重要と言えます。
● 売却を先延ばしにすることによる資産価値の低下
空き家の売却を迷っているうちに時間が経つと、一般的には不動産の価値は少しずつ低下していきます。さらに、管理費や税金といった維持コストも継続的に発生するため、所有期間が長くなるほど経済的な負担は増してしまいます。売却のタイミングを逃すことは、単なる価値の減少にとどまらず、所在するエリアや建物の状況によっては、売却自体を難しくする要因にもなりえます。
・買い手が見つかりにくくなる
市場で売却物件として公開されている期間が長引くと、買い手の間で「売れ残っている物件」という印象を与えてしまい、需要が一気に落ち込むことがあります。特に沖縄においては、売主の希望価格と買主の予算がかけ離れていて、長年ネット掲載されたまま有名物件になっている状態の不動産が多いです。
また、築年数が経過していくごとに住宅ローンの借り入れ可能年数が制限され、融資利用が難しくなる場合があり、購入者層が限られてしまる場合もあります。現金購入限定の築古戸建となると、リフォーム再販業者やDIY不動産投資家などが主な購入層に限定されるため、売却価格を大幅に下げざるを得なくなります。
・市場価格の低下
不動産市場は経済状況や地域の需要動向によって変動します。特に人口減少が進むエリアや新築物件の供給が多い地域では、空き家の価値は年々下がる傾向にあります。
沖縄は人口減少が緩やかな県ではありますが、人口増加が見込めないエリアでは、築年数が古くなるほど建物価値は減少し、売却価格にも影響を及ぼすため、待てば待つほど売却益が減る可能性が高くなります。
・管理コストの増加
沖縄の空き家を維持するためには、定期的な清掃や換気、庭木の手入れなどが必須です。これらを業者に依頼すると毎月費用がかかり、これに加えて、固定資産税や火災保険料も支払わなければなりません。
放置期間が長くなると、どうしても修繕や補修が必要になり、その分の出費も膨らみます。売却を先延ばしにすることで、最終的には利益どころか赤字になる可能性も否定できません。
● 空き家を高く売るためのポイント
空き家を少しでも高く、そして早く売却するためには、現状の分析と課題事項の整理とあわせて、対象不動産の魅力の伝え方が重要です。買い手が「この物件なら住みたい、使いたい」と思えるような準備を整えておくことで、交渉を有利に進めることに繋がります。
少しの修繕で物件の魅力を大きく向上できるようなケースでは、初期費用をかけてでも事前に手を加えることで、最終的な売却額が大きく変わることもあります。
・適切な時期の見極め
住宅の需要は季節や経済状況によって変動します。特に、引っ越しシーズンや住宅ローン金利が低い時期(または近い将来に金利上昇が予測される局面)には、購入希望者が増える傾向にあります。
長期的な目線で見ると周辺の将来人口動態や都市開発計画なども不動産価値に影響します。売却を検討する際は、周辺の不動産動向や税制の改正時期などを考慮して、最も条件の良いタイミングを見極めることが大切です。
・内外装のメンテナンス
物件の第一印象は価格に直結します。外壁や屋根の補修、庭の手入れ、室内の清掃やリフォームを行うことで、買い手の印象が大きく変わります。外壁塗装や屋上防水などを行って雨漏りの保証を付けることで、買い手や金融機関の安心感を得ることにも繋がります。
水回りの修繕やクロスの張り替えなど、比較的低コストで行える改善も費用対効果は高いです。清潔感があり、手入れが行き届いている物件は、同じ築年数でも高値で売れる可能性が高まります。
・周辺環境や立地条件のアピール
建物の状態だけでなく、いかに周辺環境の魅力を伝えていくかも重要です。近隣の商業施設や学校、公共交通機関へのアクセス、自然環境の良さなど、生活の利便性や快適さを具体的に提示していく必要があります。
沖縄のような観光地では、別荘や宿泊施設としての利用も想定して価値を訴えることも有効です。買い手が購入後の暮らしや将来像をイメージできる情報を盛り込むことで、成約につながりやすくなります。
● 売却前に知っておきたい手続きと注意点
空き家の売却をスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。必要な書類や手続きが揃っていないと、契約までに時間がかかり、買い手の気持ちが離れてしまうこともあります。
また、権利関係や法令上の制限を正しく把握しないまま売却を進めると、後々トラブルに発展する可能性がありますので、ここでは、売却前に押さえておくべきポイントを解説します。
・権利関係や登記情報の確認
所有権や共有者の有無、抵当権、隣地との位置関係、越境物など、あらゆる権利関係を事前に確認しておくことが重要です。法務局で登記簿謄本を取得し、現状と一致しているかをまずはチェックしてみることをおすすめします。
なにか問題点や不明点がある場合は、早期に専門家に相談することが得策です。権利関係の問題の大半は、時間が経てば経つほど解決が難しくなるケースが多いです。
・必要書類の準備
不動産の売却を成功させるには、登記識別情報通知(権利証)、固定資産税納税通知書、建築確認済証や検査済証、間取り図、修繕履歴などの書類を揃えておくことが重要になります。これらを整理しておくことで、買い手に安心感を与えられます。
間取り図が存在しない場合は、室内を計測して、現状に即した図面を復元することが重要です。中古戸建として売却する場合は、間取り図がないとなかなか売れません。やる気とノウハウのない不動産会社に依頼してしまうと、間取り図面すら作成してくれないので要注意です。
・不動産査定の受け方
売却価格を決める際は、不動産会社による査定を受けます。1社だけでなく複数の会社に依頼することで、市場価格の相場を把握しやすくなります。ここで一番重要なことは、査定額だけでなく、査定の根拠や販売手法をしっかり聞くことです。これによって、その会社の対応力や信頼性を判断できます。
最近は、沖縄の不動産会社の数が増加していることもあり、フランチャイズ店を中心に、実際には売れもしない高額な査定額を提示して、とりあえず売却依頼を獲得しようとする不動産会社が増えています。
こういった不動産会社は売れない物件の百貨店のような状態になりますが、いつまで待っても査定額では売れないため、時間の経過と共に有名物件化してしまい、更に売れづらくなります。最終的には、当初売れるはずだった価格でも売れなくなってしまうという事態に繋がり誰も幸せになりません。
実際に高額な査定額を目の前で提示されてしまうと、後先を考えた賢明な判断を下すことは非常に難しいことですが、こういった事例が多発していることを十分に認識した上で、信頼できる不動産会社と契約を結ぶことが、スムーズで有利な売却に繋がる第一歩です。
● 琉球不動産コンサルティング株式会社による空き家売却サポート
空き家の売却は、単に物件情報を市場に出すだけではなく、法的な確認や税金面の検討、地域特性を踏まえた販売計画など、多くの準備が必要です。琉球不動産コンサルティング株式会社では、コンサルティング会社ならではの総合力を活かし、売却をトータルで支援しています。
・総合型不動産サービスによるワンストップ対応
弊社は、不動産の売買や賃貸、管理から相続相談、投資分析まで幅広く対応可能な体制を整えています。売却にあたり、権利関係の整理や市場分析、価格設定、販売活動までを一貫して行うため、複雑な手続きを個別に手配する必要がありません。不動産に関することであれば、どんなご相談でも何かしらのサポートやアドバイスが可能です。
・法令調査や契約書確認などの専門的支援
空き家売却では、法令上の制限の確認や契約条件の調整が必須です。琉球不動産コンサルティング株式会社では、販売活動を開始する前段階で、法令調査や問題点の抽出、必要に応じて専門家との連携を行います。こうした事前の確認作業は、後々のトラブル防止に直結します。
・地域特性を踏まえた販売戦略
沖縄という地域性を熟知していることも当社の強みです。観光需要や移住希望者の動向、土地利用規制などを踏まえた上で、最適な販売方法や広告戦略を提案しています。県外から見た沖縄の魅力や不動産慣習の相違点を熟知しているため、県外の購入者に向けた販売戦略や条件調整も得意としています。これにより、購入希望者の層を広げ、より高い条件での成約を目指すことが可能になります。
● まとめ
空き家を放置することは、建物の劣化や資産価値の低下、法律や税金面での不利益など、多くのリスクを伴います。売却を先延ばしにするほど修繕費や管理コストは増え、買い手も見つかりにくくなるため、早めの対応が経済的にも有利になることが多いです。
高く売るためには、適切な売却時期の見極めやメンテナンス、周辺環境の魅力を正しく伝えることが重要です。また、権利関係の整理や必要書類の準備など、事前の手続きをしっかり行うことで、スムーズで安全な取引が可能になります。
琉球不動産コンサルティング株式会社では、総合型の不動産サービスを通じて、沖縄の地域特性に合わせた売却サポートを提供しています。専門的な調査や販売戦略の提案により、所有者が安心して空き家を売却できるようお手伝いします。