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【沖縄の軍用地投資分析】①返還が決定してから人気上昇中の北谷町キャンプレスター(桑江南側地区)の最新動向について

  • 輿石竜馬
  • 4月20日
  • 読了時間: 5分

更新日:4月20日

 沖縄本島の中部に位置する北谷町は、これまでもアメリカンビレッジやハンビータウンをはじめとする再開発事業の成功地として注目を集めてきました。


 そして今、新たに脚光を浴びているのが「キャンプレスター(桑江南側地区)返還地」です。


 米軍基地の中でも比較的小規模ながら、立地や将来性の高さから、返還が決定した途端に地元不動産関係者や投資家の間で話題沸騰となっています。


 本記事では、キャンプレスター返還地の現状と、今後の可能性について掘り下げてみたいと思います。



・キャンプレスター(桑江南側地区)とは?


 キャンプレスター(桑江南側地区)は、沖縄県で最も人気の高いエリアとも言われる北谷町美浜エリアの向かいに位置し、米海軍の医療関連施設や住宅エリアが含まれる軍用地です。国道58号線に面していて交通の便もよく、北谷町の中心的な商業エリアや観光地にも隣接しています。この立地条件が、返還決定後に投資家から注目を集めている大きな要因のひとつです。



・返還の背景とスケジュール


 キャンプレスターの返還は、日米間で合意された再編計画の一環として進められています。2013年に策定された「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の中で、段階的返還が盛り込まれ、キャンプレスターも対象となりました。


 実際の返還スケジュールについては、周辺施設の移転や代替機能の整備を前提にしており、現時点では2020年代後半から2030年代前半をめどに返還が進むと見込まれています。すでに一部の土地については具体的な返還準備が進んでおり、北谷町と国による跡地利用の検討も始まっています。



・返還決定後の反応と地価動向


 返還が正式にアナウンスされてからというもの、キャンプレスター周辺の地価は上昇傾向にあります。特に、58号線沿いの商業地や、美浜アメリカンビレッジに近いエリアでは、すでに新たな開発を見据えた動きが活発化しています。


 北谷町はもともと観光と商業の融合エリアとして人気が高く、桑江南側地区返還後の活用によって更なる都市機能の集約が期待されています。これにより、土地のポテンシャルが再評価され、「今のうち(返還前)に買っておきたい」という需要が高まり、投資目的の購入も増えている状況です。



・跡地利用の構想と注目ポイント



 北谷町は、返還予定地の活用に向けて「医療」「観光」「教育」などの複合的な機能を持つ街づくりを目指しています。具体的には、以下のようなアイデアが公表しています。


① 国際医療拠点の整備

 すでに周辺にある沖縄県立中部病院や北谷町の医療施設との連携を図り、外国人にも対応可能な高度医療センターの誘致が検討されています。


② 教育・研究機関の誘致

 国際バカロレア認定校や、観光・IT関連の専門教育機関など、多文化共生と先端産業に対応する教育環境の整備も視野に入れられています。


③ 観光商業エリアの拡張

 アメリカンビレッジの成功事例を拡張する形で、宿泊施設や商業施設を併設した新たな観光エリアの形成が期待されています。


 これらの構想は、地元住民や企業、そして行政が連携して進めており、実現性の高いプロジェクトとして注目されており、北谷町は基地返還後の基本方針として下記のようなゾーニング計画を公表しています。


 これが実現すれば、先行して返還された桑江北側地区(伊平エリア)との一体感が生まれ、基地によって分断されていた謝苅(じゃーがる)エリアとも繋がることにより、都市機能の向上に加えて、交通利便性も大きく改善されることが想定されています。



キャンプレスター返還後のまちづくり計画
※北谷町「キャンプ桑江南側地区まちづくり基本計画」より抜粋


・投資先としての魅力について



 キャンプレスター返還地は、立地・需要・将来性の3拍子がそろった稀有な物件エリアです。特に以下の点が、投資家にとって大きな魅力となっています。


① インフラが既に整っている

 桑江南側地区の大半は米軍従事者の住宅地として利用されているため、上下水道などのインフラが元々整っていることもあり、再開発の初期コストが抑えられる点が評価されています。


② 高い需要が期待されている

 北谷町の基地隣接エリアの動向から鑑みると、観光客や移住者の増加によって、住居や商業施設に対する需要は今後も伸びていくことが予想され、空室リスクが比較的低いと見られています。


③ 地域のブランド力がある

 北谷町という地域ブランドの強さが、物件価値の安定性を支えています。特に外国人観光客や在日米軍関係者の需要を取り込める点も有利です。キャンプレスターの返還により、基地内の住宅数が減少することによって、新たな外人住宅(米賃)需要も生まれることが想定されます。



・今後の課題と展望について



 桑江南側地区の返還にともなう住民の期待や将来性について述べてきましたが、実際の土地利用やまちづくりには慎重な調整が必要となってきます。たとえば、土壌汚染や埋蔵物の調査や除去、地権者との合意形成、交通渋滞への対策など、今後直面する課題も多く併せ持っているのも事実です。


 誰がどのように先導して、これらの課題を解消していくのかが、プロジェクト成功を左右するカギとなることは言うまでもありません。


 また、官民の連携が必須になるため、どのように民間資本の導入を進めていくかも大きな焦点となります。地元経済への波及効果を最大化するには、単なる「再開発」にとどまらない、地域と民間企業との共生を前提とした持続可能なまちづくりが求められます。



・北谷町の未来を大きく左右するプロジェクトになります



 キャンプレスターの返還は、単なる軍用地の返還に留まらず、北谷町の未来を左右する一大プロジェクトとなることは必至です。このプロジェクトに自ら関与することを望む方は、返還期限が迫る今こそ、実際に土地の権利を取得して地権者となることによって、将来を見据えた事業参入にエントリーするタイミングといえるでしょう。


 そして何よりも重要なのは、地域との共創です。民間投資と行政の協力により、新たな街が形成されれば、地価の上昇と地域の発展が相乗効果をもたらす「好循環」が生まれるはずです。


 今後の北谷町、そしてキャンプレスター返還地の動きから目が離せません。







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