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令和9年度・不動産相続税評価に関する税制改正(相続対策封じ)の衝撃:「公表前なら大丈夫」は本当か?沖縄の軍用地投資は?

  • 2 時間前
  • 読了時間: 7分

 不動産オーナーの皆様、こんにちは。沖縄で不動産コンサルティング事業を手掛ける琉球不動産コンサルティングです。


 本日は、不動産業界や富裕層・地主様の間で非常に注目度の高い「令和9年度(2027年度)からの不動産評価方法の見直し」について、最新の予測と対策を詳しく解説いたします。


 「相続対策で収益不動産を買おうと思っているが、税制改正の網にかかるのが怖い」「公表前に買っておけば大丈夫と聞いたが、本当か?」といったご相談がここにきて急増しています。先日は、わざわざ弊社まで電話でこの税制についてお問い合わせをいただくお客様もいらっしゃいました。


 特に私達が拠点を置く沖縄エリアは、観光需要や再開発の影響で「時価」と「相続税評価」の乖離が激しく、この改正の影響を最も受けやすい地域の一つと言えます。本日は、現時点で判明している令和9年度の税制改正(相続対策封じ)大綱をベースに、不動産オーナーや投資家が知っておくべきポイントを整理いたします。 公表前の対応や軍用地投資に関する情報もまとめていますの必見です。



令和9年税制改正


1.改正の核心:相続前5年以内の取得が「時価ベース」に・・・


 今回の改正の最大の目玉は、相続が発生した日から遡って「5年以内」に購入・取得した貸付用不動産について、これまでの路線価評価ではなく、実勢価格(時価)に基づいた評価へと引き上げる点です。


 今までは、例えば現金1億円で物件を買うと、相続税評価額が3,000万円程度まで圧縮できるケース(圧縮率でいうと70%になります)もありました。しかし今後は、その圧縮効果が大幅に制限され、時価(実際に購入した価格に地価変動率を考慮した価格)の80%程度で評価される見込みとなっています。



2.「公表前に建て始めた人」は対象外?経過措置の真実


 投資家や地主の皆様が最も気にされている「改正の公表前に相続対策を実施した場合」における税制上の取り扱いについてです。


 現状の税制改正大綱や検討案では、一定の「経過措置」が設けられる予定ですが、ここで注意が必要なのは、「建築」と「購入」で扱いが分かれる可能性が高いという点です。


① 自分が所有している土地で建築を開始した場合


 税制改正の公表日(通達改正日)以前に、自ら所有していた土地の上に収益不動産の建築を開始、または完成させていた場合については、経過措置として新ルールの対象外(従来通りの評価)になる可能性が高いという風にされています。


 これは、もともと保有していた資産の有効活用とも考えられるため、相続直前の意図的な節税(相続税対策)とみなすことが国税寄りの強引な解釈になってしまう可能性があるためです。実際に単なる有効活用と主張されたら国税も言い返す術がないため、このような経過措置を取らざるを得ないものと弊社では整理しています。


 本来であればこの経過措置によって、今後数カ月(おそらく令和8年9月頃まで)の建築ラッシュによる駆け込み需要が起きるところですが、奇しくも今回はイランの中東戦争による建築費の急高騰と時期が重なってしまっているため、経過措置を目的とした駆け込みは限定的になるものと想定しています。


② 収益不動産を新たに購入した場合


 一方で、収益不動産などを新たに「購入」した場合は事情が少し異なります。


 現時点での予測(予定)では、たとえ本税制改正の公表前に既に収益物件の購入(契約や決済)が完了していたとしても、「相続発生時に、取得から5年以内であるかどうか」で機械的に判定される可能性が極めて高いと考えられます。


 つまり、『公表前に購入したから一生安心』という訳ではないのです。改正施行後に相続が起きた際、その物件を買ってから5年が経過していなければ、新ルールが適用されるリスクが非常に高いです。つまり、公表前に購入したとしても、その後の「生存期間」が判定の鍵を握ることになります。


 これを知らずに数年前に一定の貸付用不動産を購入して、5年以内に亡くなってしまう人は大きな不利益を受けることになりますが、これについては、元々の税制においても存在していた「路線価評価額が時価(取引価格)の比べて著しく低く、それを利用して相続税を不当に圧縮していると判断されること」という適用基準のロジックによって、不利益に対する合理性が取れるものと国税は判断していると考えられます。



3.なぜ今、ここまで厳しくなるのか


 令和9年の相続対策封じ税制改正の背景にあるのは、令和4年の最高裁判決(いわゆるマンション節税事案)です。当時は全国の税理士業界・不動産業界が衝撃を受けた画期的な判決でした。現行の法律に基づいて、きちんと評価をしているにもかかわらず「こんな判決が出ることがあるのか」と驚愕を受けたことを今でも覚えています。判決当時も税理士に登壇してもらい、すぐに勉強会を開催しました。


 路線価による相続税評価を利用した極端な節税が「租税負担の公平性を害する」と断じられたことで、国税は個別事案に踏み込むための強力な後ろ盾を得ました。令和6年(2024年)1月からはマンション相続税評価額の計算方法改正され、タワマン節税の「封じ込め」が実施されました。今回の改正は、タワマンに限らず、収益不動産全体に、その判断基準を「相続発生から5年前」という期間でルール化し、曖昧さを排除する狙いがあります。



4.不動産コンサルタントとしての視点


 私達は沖縄で、地主様や県外投資家の皆様のコンサルティング事業を行っていますが、今回の改正は「不動産を持っていれば勝手に節税できる」時代は終焉を迎えることを意味していると感じます。


 特に那覇市内の商業地や恩納村のリゾート物件など、実勢価格が路線価の数倍に達しているエリアでは、評価方法が変わるだけで数千万円・数億円単位の増税になりかねません。


 実際に弊社で取り扱っている恩納村の別荘や収益不動産は、売買価格が相続税評価額の10倍程(圧縮率90%)程になっているようなケースも多く、これも県外の富裕層が恩納村にリゾート物件を保有しておく理由のひとつでありましたが、こういった購入ニーズは少し落ち着いてくることが想定されます。


 これによって沖縄で特に需要が減少する可能性があるのは、恩納村や読谷村をはじめとした海近くの物件や、那覇のリュークスタワーや北谷のアルトゥーレの高層階など、時価と相続税評価額が乖離している不動産であると推察しますが、これに加えて、沖縄不動産投資の代名詞でもある「軍用地」についても、相続対策封じの網にかかってしまう見込みとなっていますので、今後、著しく需要が減少していく可能性があります。これについては、今後の税制改正に関する細部公表の経過を見守るしかありません。



5.結論:早期対策こそが唯一の防衛策


 今回の税制改正は、あくまで「予定」や「見込み」の段階ではありますが、相続対策の包囲網が日に日に狭まっていることは間違いありません。国は「駆け込み」を許さない体制を整えています。


 はっきり申し上げて、「法改正が決まってから考えよう」では、もう間に合わない段階になっています。


 「5年ルール」を回避するためには、逆算して5年以上前に対策を完了させる必要があります。また、不動産単体での評価の圧縮にだけ頼るのではなく、法人化による所得の分散、生命保険の活用、そして何より「収益力のある不動産」を選び、納税資金そのものを稼ぎ出す戦略が不可欠です。


 相続対策は、早ければ早いほど選択肢が増え、より有利な条件で資産を守ることができます。改正の足音が近づく今、改めてご自身の資産状況を見つめ直し、未来への準備を始めましょう。


※本内容は2026年5月時点の税制改正大綱および検討資料に基づく予測であり、今後の正式な通達により変更される場合があります。具体的な税務判断については、必ず税理士等の専門家にご相談ください。





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