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2024年(令和6年)公示地価発表!住宅地は沖縄が上昇率全国1位を記録!

 3月26日に「公示地価」が発表されました。沖縄県は全用途平均で+5.5%を記録し、全国2位の上昇率となりました。住宅地にいたっては、地価上昇率が全国1位となりました!


沖縄の2024年(令和6年)公示地価を分析!上昇率全国1位の福岡とも比較。


 「公示地価」は、国土交通省が1月1日時点の1㎡あたりの土地の価格を公表するもので、2024年(令和6年)は、県内で21市町村の192地点で価格の算出がされています。


 今回の特徴としては、前年と比較して、工業地の伸び率が若干トーンダウン(+14.1%→+9.5%)しましたが、住宅地(+3.6%→+5.5%)と商業地(+2.7%→+5.0%)の上昇率が大きく改善したため、全体(+3.6%→+5.5%)としての上昇率も増加し、沖縄県は11年連続で地価が上昇する結果となりました。


沖縄公示価格2015~2024


沖縄公示地価上昇率推移2015~2024


 前年(2023年)も標準地に設定されていた県内189地点(継続地点)のうち、188地点で地価が上昇しており、下落した地点はゼロでした。実は、これが沖縄と他の都道府県との大きな違いでもあります。令和6年は47分の30都道府県で全用途平均地価が上昇しましたが、下落地点が全くない都道府県は実は「沖縄県」だけなのです。



地価上昇率上位都道府県比較


 例えば、2024年(令和6年)の公示地価で全用途平均上昇率全国1位を記録した「福岡県」の継続地点は927箇所ありますが、そのうち79地点においては地価が下落していますし、令和6年の全用途平均上昇率3位で最も地価水準の高い「東京都」においても、継続地点2575のうち15地点は地価が下落しています。その他全ての道府県においても、下落地点は必ず存在していますが、沖縄県には一つも下落した地点がないのです。



沖縄県だけ日本で唯一、地価下落地点がない理由は何故か?


 下落している地点のない沖縄は、県内全域において地価が上昇していると言い換えても過言ではありませんが、なぜ「沖縄県」だけに、このような現象が起きているのでしょうか。


 これには様々な要因が影響していることが考えられますが、代表的なものを挙げると下記の5つの要素ではないかと整理します。


① 人口が著しく減少している市町村が少ない。


・沖縄県も2023年に県全体の人口は減少に転じましたが、2022年まで約50年続いて人口が増加していたこともあり、将来的にも人口減少は他の都道府県に比べて緩やかに推移する県として知られています。また、県内都心部への人口集中も本土ほど顕著ではありませんので、極端に人口が減少する市町村もありません。人口の推移と不動産の地価動向は、密接な関係性があることでも知られているため、県内の地価は全体的に減少しにくいという背景があります。


② 県内広域で都市開発やインフラ整備の計画がある。


・現在、沖縄では県内の様々なエリアで公共施設の建設や都市開発が進んでおり、今後返還される米軍基地跡地の大規模な区画整理事業など計画は目白押しです。インフラ整備においては、元々那覇近郊を除いて、下水道やガス本管の布設が進んでいなかったこともあり、現在進行形で県内広域のライフライン整備を進めている状況も、都心部以外の地価上昇を後押ししている要因と言えます。


③ 鉄道がなく、車文化が定着した社会。


・多くの沖縄県民は電車に乗る習慣がないことから、本土のように「駅から徒歩○○分」という概念で土地値を判断する文化が定着していません。電車が主要な移動手段となると、駅周辺ばかりが優先的に開発され、次第に人口が集中します。すると、駅から歩けない土地は不便な立地として、徐々に需要がなくなり、地価が下がっていく因果関係になりますが、沖縄は元々車文化が定着しているので、駅からの距離はさほど重要なファクターではなく、県内広範囲に住宅需要のあるエリアが存在しています。


④ 過疎地域も観光地としての需要があるリゾート性。


・本島の北部や最南部エリアは元々人口が少なく、自然に満ちた環境が多く残されています。本土の場合、このような田舎エリアは一般的に不動産ニーズが僅少であり、地価下落の筆頭候補地になりますが、沖縄は地理的な特性から、田舎エリアの近くには必ずと言ってもよいほど、静かで美しい海が存在するものです。周りに商業施設も何もないような立地でも「別荘」や「リゾート施設」としての土地需要があることも沖縄の特徴と言えます。


⑤ 戦後の失われた経済成長が遅れてやってきている?


・沖縄には戦後暫く日本から離脱していた悲しい歴史があります。アメリカ統治下時代において、日本本土が戦後の急激な経済成長を遂げる間、沖縄の経済は停滞していたため、結果として、本土に比べて経済的に大きな遅れを取ることになりました。その分、県全体の都市開発も遅れていましたが、遅れた分だけ加速度的に街づくりを行う余地があるとも考えられます。


 上記に挙げた以外にも、様々な要因が考えられますが、こんなに多くの特異性を持つ都道府県は他に存在しませんので、本当に沖縄の不動産はとても魅力的で面白いと感じます。


 ぜひ皆さんも沖縄の不動産の魅力、他の都道府県との違いを学びながら、沖縄に資産を保有してみませんか。






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